公益社団法人 東京青年会議所(東京JC)

公益社団法人 東京青年会議所

所信表明

公益社団法人東京青年会議所 2018年度理事長所信
石川 和孝

ishikawa

1の使命感

好循環で創る世界都市「東京」

東京青年会議所は、日本で最初に創設されたLOM認証番号「1」の青年会議所です。「使命感」それは、「限りある人生で何を成し遂げるのか?」「人としてどのように生きるのか?」を自分に問い続け、人生を歩んでいくことです。戦後間もない1949年、先達が志を持って新日本の再建に立ち上がりました。住み暮らす自分達の街である東京が焼け野原になった姿を想像してみてください。そして、その状況を目の当たりにしながらも使命感を燃やした若者の姿を想像してみてください。その使命感はとてつもなく大きく、明るい豊かな社会を築き上げる力の源であったはずです。私達は、その断固たる使命感を継承していくことができます。なぜなら「新日本の再建は我々青年の仕事である」という日本の青年会議所運動の源である創始の使命感が、東京青年会議所には68年間脈々と流れているからです。東京青年会議所会員としての1の使命感を持って地域に好循環をもたらし、日本を牽引していく中で世界都市「東京」を世界に指し示し、明るい豊かな社会を創り上げていきましょう。

明るい豊かな社会の実現に向けて

青年が明るい豊かな社会を目指して取り組むべき課題は一つではありません。少子化・高齢化、デフレからの完全脱却を目指す経済、未来への投資である教育、世界都市「東京」としての国際問題など課題は多岐に亘ります。その多くの課題に対し、社会変革運動を突き進める東京青年会議所は、「政策→立案→実行」という意識を持たなければなりません。運動を構築するにあたり、エビデンス(根拠)を基に政策を立案し、仮設を立てた上で具体的な社会実験から運動を起こす。そして、運動の成果を政治に届け、政治の力を使い社会システムに変革を起こし、地域を発展させていく好循環が必要です。地域の発展に寄与することは地域益ですが、東京の地域益は国益へと直結する価値があります。私達の運動は想いだけで創るものではありません。明るい豊かな社会の実現に向けた東京青年会議所の社会変革運動が、日本、世界を牽引していくという断固たる使命感を持ち青年時代を駆け抜けましょう。

2020年を東京青年会議所の契機に

2018年は東京で開催される世界的なスポーツの祭典まで残り2年を切る年となります。本国際大会の成功は、日本国内に活気をもたらすのはもちろんですが、世界都市「東京」として更なる成長を遂げる契機でもあります。文化、教育、経済を中心とする多くのハード・ソフト面から都市力を高め、世界有数の先進都市へと発展していく絶好の契機です。この東京としての更なる発展過程において、私達が準備段階から開催後まで主体的且つ、持続的に携わることができれば、東京青年会議所にも様々な効果をもたらします。例えば、実質的な基盤である社会の経済的構造にポジティブな変革を促すことのできる他団体との連携した運動や、大会成功に寄与する団体としてのブランドの確立、更には会員拡大にも繋がります。また、東京青年会議所による率先した関与は、日本にある695の各地会員会議所のメンバーに夢を届けることもできます。東京青年会議所の祭典貢献が都市の未来に変化をおこすことで、日本、世界を牽引していくという使命感を持ち、この契機に携わっていきましょう。

青年による国際社会の課題解決

2020JCI世界会議の開催に向けて横浜青年会議所の誘致活動が始まりました。私達は同じ関東地区の同志として世界のメンバーを迎えるにあたり、JCIの国際大会において率先したコミットをしていく必要があります。2020JCI世界会議が日本の地で開催される可能性があることを好機と捉え、JCIという国際組織と連携し、各国青年会議所メンバーと協力することで、国際社会における課題解決への道筋をより多く創り始めるべきであると考えます。また、世界のメンバーとの交流によって創られる友情は、諸会議の実りある参加意義と世界規模の運動に繋がっていくと考えます。2017年度、東京青年会議所はJCIセントラルとのシスター締結をおこないました。シスター締結はゴールではなくスタートです。2018年度はこれまでに締結された6LOMのシスターJCとの関係性を高めるために、ASPACやAPICC、世界会議においてSDGsを基軸とし、国際社会の課題解決にむけた各国LOM対話をおこないます。そして、各国と共通のゴールを設定し、それぞれの国内で社会実験をおこなった結果を共有することで、世界平和に寄与する持続的な運動へと繋げていきます。JCIのネットワークを最大限に活用し、世界中のJCメンバーとの繋がりで、恒久的な世界平和の実現に向けた歩みを進めていきましょう。

子育て世代としての教育再生

2017年、新学習指導要領が公示され、小学校では2020年から、中学校では2021年から全面実施されます。また2018年から小学校における道徳の教科化が実施されます。政府は人づくり革命を政策として掲げ、幼児教育の無償化、リカレント教育の推進を推し進めようとしています。「教育は未来への投資」と位置づけ、国として教育の充実を図る制度改革が着実に進んでいるのです。しかし、子供への教育は、制度を変えていくだけで確立されるものではありません。子供の最初の先生は親なのです。よって、親である大人が生涯学び続ける土壌を創ると同時に、学校と家庭、地域の教育による学びの好循環が創られることにより、未来への投資効果は飛躍的に高まります。子育て世代である私達は、新たな学習指導要領への移行期間において学校教育の現状と問題点を把握し、生きる力の基盤となる家庭教育の在り方を学ぶことで、地域の教育を確立する使命があります。家庭・学校・地域から教育の好循環を創り、東京から教育再生のロールモデルを醸成していきましょう。

青年経済人として目指す経済再生

東京青年会議所は青年経済人の集まりです。しかし、どれだけの人達が経済の仕組みを理解しているでしょうか?経済とは世を經め、民を濟う「経世済民」という言葉に由来しています。政治がおこなうべきは、経営ではなく経済であり、東京を經め、都民を濟うのはまぎれもなく東京都政です。私達は東京の経済を正しく理解し、青年経済人の視点で政治に対し、是々非々で経済政策を判断し、より良い東京経済へと導いていく責任があります。政府の取り組む生産性革命や地方創生においても、東京に住み暮らす中小企業経営者が日本の経済を底上げしていくと考えています。中小企業の経営者として生産性革命の内容を理解し、率先して取り組む中で得られる成功事例や新たな問題点は、現場の生の声として有益な成果と課題を把握することができます。この成果と課題をメンバーで共有し、政治に提言していくことこそが東京で運動をおこなう青年会議所の使命でもあります。また、政府の有益な情報を共有し、全国695の青年会議所メンバーとのネットワークを活用することで生み出される事業創造や、地方と東京との人財マッチングにも新たな価値が生まれると考えます。まずは、私達が経済の仕組みを再認識し、稼業の経営から生産性を向上させ、地域経済の発展に寄与することで、日本に好循環を生み出す世界都市「東京」を創り上げていきましょう。

政治参画ネットワークの確立

2017年の東京都議会議員選挙の結果は、「東京大改革」という言葉が東京都民の琴線に触れる結果となりました。多くのメディアから注目された選挙の中で、政策を見極める目、すなわち政策リテラシーを持ち、東京都政の行く末を見据えて投票をした都民がどれだけいるでしょうか。また、同年9月28日の衆議院解散により第48回衆議院議員総選挙が10月に実施されました。本選挙により多くの国民が出した答えは、憲法改正を公約に掲げた政党であり、憲法改正発議による国民投票が実施される可能性がより高まりました。国民主権を行使する力や政策リテラシーとは学生のみならず、日本に住むすべての人々が備えるべき力です。政治の質は国民の質であり、政策リテラシーを持って政治に向き合う国民がいれば自ずと政治の質は上がる。東京に置き換えるならば、東京都民の政策リテラシーが上がれば、東京都政の質が上がるという好循環になります。東京都議会議員選挙で都民が出した答えと、衆議院議員選挙で国民の出した答えを検証し続けるとともに、国の根幹をなす日本国憲法に対しても主権者として自らの解を持ち、政治と向き合っていく土壌を創りましょう。

ブランドは組織全体で創るもの

東京青年会議所としてのブランドの確立は、1つの委員会が創り上げるものではなく、単年度で創り上げられるものでもありません。各会議、委員会で政策立案されたすべての社会変革運動で東京に強烈なインパクトを与え、魅力溢れるメンバーが組織の力を伝え続けることで得られる都民からの評価こそが東京青年会議所としてのブランド価値です。そして、社会に変革をもたらした運動の成果を戦略的に発信する中で、地域や行政、民間団体に認められ、求められる存在となることこそが、東京青年会議所のブランディングであると考えます。ブランドの付加価値を高めるためには、都民のニーズを的確に捉えた社会を変革する運動と、運動を伝える発信力を高めることが必要不可欠です。組織全体でインパクトある運動と魅力を発信し、東京青年会議所の価値を更に高めていくブランディングを強化していきましょう。

運動構築の基盤を創る

運動構築にもっとも必要なこと、それは「社会背景」と「目的」、「将来のビジョン」であると考えます。地域に潜む課題を的確に捉え、将来はどのような社会になっているかという仮説を基に政策を立案し、社会実験をおこなう。そして、社会実験で得られた成果を東京全体の運動へと水平展開し、社会システムを変革するために必要な事例を携えて、国や行政に提言していく。この考え方の基盤を創ることが組織力の強化には必要不可欠です。また、私達は青年会議所という組織で運動をおこなう以上、組織の考え方を理解したうえで事業を構築しなければなりません。よって、JCIクリード、ミッション、ビジョンを理解した上でアクティブシチズンフレームワークを実践することが必要であると考えます。2018年度はJCIコースを基軸とし、アクティブシチズンフレームワークを実際の運動で活用できる個別具体的な研修制度を整えていきます。東京から日本、そして世界を牽引する運動の基盤を創る事業構築論を学び、青年会議所の運動の土台をしっかりと固めていきましょう。

組織力向上に向けた拡充

拡充は単年度だけの取り組みで解決されることはありません。5年後、10年後を見据え、「拡げて充実させる」という内部の仕組みを創り上げる必要があります。全国のメンバーの平均在籍年数が4年5ヶ月であり、青年会議所の組織を理解し、役職による「修練」を積み重ね、実践の中でリーダーシップを学ぶという現役の時間は限られています。よって2018年度は、入会候補者への入口に特化した拡大と、入会の浅いメンバーを中心とした拡充を分け、それぞれの連携によって「拡充」という仕組みの礎を創っていきます。入会候補者を入会へと導く運動を確立し、新たなメンバーが組織の存在意義や考え方をしっかりと学び、運動を通じて自己成長することで、再び新たな入会候補者を入会させていく。このような組織の好循環こそが未来へと繁栄し続ける拡充の姿です。この質と数の充実を求めていく「拡充」で、組織力を兼ね備えた1,000名の会員を有する東京青年会議所を実現しましょう。

1のLOMとしての渉外連携

東京青年会議所はすべての青年会議所運動の起点であり、全国に695の青年会議所が存在する現在でも、創始のLOMとしての責任を果たしていかなければならないと考えます。その責任を背負い、全国のLOMのメンバーに背中を見せることができる場こそが渉外であると考えます。その責任を背負い、全国のLOMのメンバーに背中を見せることができる場こそが渉外であると考えます。渉外は、日本や世界の青年会議所メンバーとの交流を円滑に図り、青年会議所のネットワークを構築する根幹を創り上げるためにあります。また、有事や災害がおこった際のきめ細やかな備えをおこなうためにも、密接なネットワークの構築は急務であると考えます。渉外は東京青年会議所の背中を見せる絶好の機会であり、その担いは極めて重要なものです。そして、渉外活動をおこなう中で、日本や世界の青年会議所でおこなわれている運動を理解し、東京でも必要と感じる運動があればスピード感を持って社会実験をおこなうべきであると考えます。2018年度は、創始のLOMとして国内外の青年会議所との連携を強く意識し、全国、世界のメンバーと協働する組織へと昇華していきましょう。

わんぱく相撲を越える運動を目指して

1977年より40年を越え続けてきたわんぱく相撲は青年会議所の代名詞でもあり、子供達は日本人としての文化や精神性、勝つ喜びや負ける悔しさを学び、メンバーは地域に根差した事業と向き合う中で多くの学びを得てきました。この青年会議所の代名詞である運動のゴールはどこにあるのでしょうか。そして、現在のわんぱく相撲は果たして社会変革の運動なのでしょうか。伝統ある継続事業だからこそ、本質が地域の参加者に伝わっているのか、地域から求められている事業なのかの検証を図り、わんぱく相撲の方向性を指し示さなければなりません。現役メンバーは、伝統や歴史を守り続けることが使命ではなく、東京に対する社会変革の使命感を持ち、運動をおこなっていく青年の集まりです。わんぱく相撲が誕生した過程を振り返り、現在の社会背景を踏まえたうえで、新たな課題に立ち向かう必要があると考えます。守るべき伝統は守り、変えるべきものは変える。今を生きる青年として、社会に必要とされ、地域が求める新たな運動を創っていく責任を果たしていきましょう。

すべてのJCIに運動を伝えるために

2017JCI世界会議アムステルダム大会で開催されたJCIアワードにおいて、東京青年会議所は最優秀組織間協働プロジェクトを受賞しました。ASPACや全国大会、世界会議で開催される国内外の各種アワードは、東京青年会議所がおこなってきた運動が審査され、受賞を喜ぶだけではありません。私達がおこなった運動計画は果たして地域の問題点を捉えていたのか。地域にどのようなインパクトを残したのか。その結果地域にどのような変革をもたらしたのかを申請過程において再度検証し、今後の事業をより良い事業にするためのツールでもあります。また、私達の運動を国内外に発信し、同じ問題を抱えている国や地域に運動を水平展開できる場でもあります。各種アワードは、世界中の青年会議所の知識と知恵で生まれた運動が多くのメンバーに発信され、新たな気づきと価値観を生み出す最大の運動発信の機会であると考えます。JCIのネットワークを活用し、東京青年会議所の運動をより多くの青年会議所に伝えるためには、ノミネートで終わるのではなく、受賞することが運動発信には必要不可欠です。まずは、これまでの各種アワードでの受賞事業を検証し、受賞するための仕組みをマニュアル化し、継続的な受賞への道筋を創り上げることで、世界中の青年会議所へと好影響を与え続ける東京青年会議所を目指していきましょう。

70年間の使命感

2019年、東京青年会議所は70周年を迎えます。私達が今の仲間と出会えたこと、東京青年会議所メンバーとして地域に貢献し、自己成長することができているのは、まぎれもなく東京青年会議所運動を紡いでこられた先輩諸氏の力によるものです。現役である私達は、変わりゆく社会背景に即して運動を変化させても、東京青年会議所の根幹にある1の使命感と、先輩諸氏の歩みに対して敬意を表する気持ちを忘れてはいけません。2018年はそれぞれの時代に存在した東京の使命感やこれまでの歴史を紐解き、多くの各地会員会議所の同志へと発信していきたいと考えております。 その上で、東京青年会議所に関わってこられたすべての方達への感謝を形にする記念式典の準備をおこないます。未来永劫絶える ことない使命感を伝承していくために、70周年記念式典を共に創り上げていきましょう。

組織としての地区委員会の在り方

事実上の地区委員会1年目である、1975年の東京青年会議所を振り返ってみましょう。当時は東京青年会議所の会員数が1,000名に達していました。そこから組織の更なる発展を望み、23地区に各200名、東京の中心に400名、合計5,000名のメンバーで構成されたLOMを目指すという想いから地区委員会が創られました。東京青年会議所の繁栄過程に存在した地区委員会への想いは、現在の地区委員会の現状へと繋がっているのでしょうか。我々は再度、地区委員会のあるべき姿を見つめなおし、実を兼ね備えた青 年会議所へと飛躍していくべきだと考えます。2018年度の運動、拡大、拡充の成果と検証を次年度以降の組織編制へと繁栄させるべく、「伝統継承」ではなく「使命感」を持って東京青年会議所と向き合い 、2019年度以降の組織へ使命感の継承をしていきましょう。

個人力の強化

私達は家庭や会社、地域において責任を有する青年です。青年会議所において修練を積み重ね、自己成長し続けることは自分の周りに様々な好循環をもたらします。修練による自己成長は新たな価値観を創出し、新たな価値観をもって家族と接すれば家庭に好影響をもたらし、学び得た知識と知恵を社業に還元すれば会社が発展していきます。そして、会社の経済発展は地域の発展へと繋がります。私達は、青年会議所と家庭、本業との連立によって地域の好循環を創り上げることができるのです。すなわち、私達の自己成長こそが明るい豊かな社会への一歩となっているのです。自己成長には、「他人との比較ではなく、理想の自分と現状の自分を照らし合わせた時に生まれる葛藤」が必要です。自己の成長で家族を守り、 社業を成長させ、地域発展をもたらす好循環を創るために、個の力を磨いていきましょう。

終わりに

 「破天荒な青年であれ」

破天荒とは「今まで誰も成し遂げなかったことをすること」です。青年に求められていることは、何事にも綺麗さや完璧を求める姿ではなく、未来の青年達に対してより良い東京を残すために果敢に挑戦していく背中を見せていくことです。その姿は、使命感を持ち、常に破天荒であればこそ、青年経済人の集まりである団体の存在意義を指し示す光となるのです。

1の使命感を持って40歳までの青年時代を破天荒に生きよう。
その先には日本、世界を牽引する大都市東京の姿が必ずあるから。

石川 和孝