東京青年会議所

70周年

公益社団法人 東京青年会議所

所信表明

所信表明

Updated date 2019/02/07

  • facebook
  • twitter

公益社団法人 東京青年会議所

2019年度 理事長所信

塩澤 正徳

塩澤 正徳


はじめに

70年にもわたる運動の歴史は尊く、社会へ与えてきた影響は計り知れぬものがあります。
 東京青年会議所は幾多の青年経済人が創始の精神を紡ぎ、時々の「社会」に相対し、「明るい豊かな社会の実現」に向けて正面から行動を興してきました。現在を生きる私たちもその一員であり、未来のための運動という点は変わらず、私たち自身が理念の追求を行っていかなくてはなりません。設立70周年という節目の年に、東京青年会議所にて活動を行う私たちはあらためて現在の「社会」に向き合わなければならないのです。

 現在の喫緊の社会課題とはなんであるか。
 いずれの分野にも共通する本質的な問題があるのではないのか。

 現在における「社会」という言葉は多義的であり、かつ概念があいまいなものです。しかし、「社会」はそもそも人間自身が生み出した、他者と共に生きる術であり、それを実現するための観念です。人間が作った「社会」であるのに、それを構成する「個人」が本分を果たさなければ、社会に依存するだけでなく、一方的な主張により一部の「個人」のための社会になってしまうのです。主体者であるのは「個人」であり、決して「誰か」ではないのです。国際化や少子高齢化、情報革命等、社会へ影響を与える新たな要素が台頭しはじめ、日本人の価値観は大きく変化しています。「社会」の流れに身を任せるのではなく、今こそ、「社会」を構成する「個人」、すなわち全市民が主体者として参画する社会を早急に実現しなければなりません。まずは、私たち東京青年会議所のメンバーが所属するそれぞれの「社会」で本分を果たし、東京という地域に所属する「市民」に向けてその必要性と具体的な行動を指し示すのです。

 そして、私たちの運動に多くの市民を巻き込みましょう。共に運動を興すことで、全市民の社会参画の一歩を切り拓いて行くのです。

70年の歴史を紐解き未来へ向けて青年が採るべき政策

1949年9月3日 新日本の再建は我々青年の仕事である。戦後間もない焼け野原という苦難に満ちた時代に、国内経済の充実と国際経済との密接なる連携を必要として、政治経済の中心地である首都東京に東京青年会議所は設立されました。設立以来、先輩諸兄が紡いでこられた70年間という歴史は、様々に変化する社会において常に未来を見据えた社会課題の解決に使命感を持ち、市民と共に歩んで来た道であります。時代に先駆けて、社会課題から政策テーマを選定し、青年経済人が具体的な解決策を掲げ展開してきた運動の歴史なのです。

70周年の節目を迎える私たち東京青年会議所は、これまでの各政策、運動の歴史を紐解き、目まぐるしく社会が変化する今日において、未来へ向けた新たな政策を確立しなければなりません。そして、私たち東京青年会議所は東京を明るい豊かな社会へ導くべく、すべての市民が自らの本分を果たす環境を構築し、賛同される政策を携えて、東京の理想像を指し示すのです。今から5年先の2023年の東京のあるべき姿を未来に責任ある私たち、東京の青年経済人が描いていきましょう。

東京2020大会と共に東京JCレガシーを創造

東京2020大会開催を間近に控え、世界からの注目が集まっています。私たち東京青年会議所がこの機会を最大の契機と捉え、大会後も各地域が持続的に活性化する環境の構築に活かす必要があります。しかし、東京23区全てが競技開催地となることは現状では難しく、直接的に関与しない地域も存在します。東京に住み暮らす全市民の参画を実現するには、私たちが2020年に採るべき行動を具体的に掲げ、確実に実行するためにも今から準備しなければならないのです。

私たちはいままでの歴史と経験と強みを活かし、既存の国際社会との繋がりを超えた、新たな連携を創造するために、東京23区全域に新しい国際交流を可能とする世界各国の拠点を2020年に展開しましょう。東京全域で行政や大使館、市民との連携を図り、国際交流を推進することで、東京の全市民がこの機会に参画できる土壌を作ることができ、さらには民間交流がきっかけとなり、新しい東京の国際連携モデルを創り出すのです。

レガシーとは「開催に伴う遺産」ではなく、開催をきっかけとする長期にわたる社会へのポジティブな影響です。私たちが持ちあわせる東京23区との密接なる関係と国際機関との連携を大いに活かし、多くの市民の体験を未来へ贈るのです。絶好の機会を活かした、私たち東京青年会議所にしかなし得ない「東京JCレガシー」を創り上げる運動を展開していきましょう。

全ての課題の本質に迫る根本的な解決策の実行

多くの市民が、社会に対して閉塞感と不満感を持っているにも拘わらず、社会をより良くしようとする「個人」の本分を果たせていない状況が続いています。若者、とりわけ中高生世代は、学校、部活、塾等、縦の関係にある大人としか接しておらず、受け身であることに慣れてしまい、主体的に行動する経験が圧倒的に不足しています。また、若者世代は未熟な存在として見なされていることが多く、特に学生は教育や保護の対象で、地域や社会の主体として考えられていません。

若年層や将来の有権者が、自分を知り、共に生きる他者との関係を築くという民主主義の本質を、教育の段階から実際に体験できる機会を提供していくことが必要なのです。

自らが思考し、行動し、環境そのものを創り出そうとする力や、民主主義の本質を身に付けた市民が、強い参画意識と政治への高い関心をもって選挙へ行き、社会に関わることで、地域や自国の未来を決めていける環境を構築しましょう。

私たちの政策を表現する新たな公開討論会

東京23区は流入人口が多いとはいえ、それぞれが区民性をもち、抱える課題も違います。したがって、どの区にも共通する課題解決の模範解答はありません。東京青年会議所が各地区で地域の理想像をもち、青年経済人としての本分に基づく行動を興すには、未来につながる政策の策定が必要です。2019年は統一地方選挙、参議院議員選挙が開催される年であり、地域の理想像を実現する中長期的な政策を策定する最大の契機です。

まずは、公開討論会で市民の本分を行動で指し示す私たちが、主権者として自らの解をもち、各選挙の争点を創り出しましょう。そして、潜在的な市民ニーズに応える東京青年会議所の政策について各選挙立候補者・候補予定者と議論し、政治に反映する機会とするのです。さらに、長年取り組んできた公開討論会という手法の成功と失敗の歴史を紐解くとともに、現状の公職選挙法改正を検討し、提言する必要があります。

一人ひとり自らが思考し、表現し、議論を積み重ね、東京の青年経済人として策定した政策を、公開討論会という機会を通じて「社会」に表現することで、地域の「市民」に向けてその政策の必要性と具体的な行動を指し示し、私たちが考える地域の理想像を実現していきましょう。

あらゆる社会課題を解決に導く教育政策の確立

少子化や核家族化、情報化等の社会の変化や人間関係、地域のつながりの希薄化等により、家庭や地域における教育力が低下しています。教育は学力の向上のみを目的とするものではなく、現在から未来に向けたあらゆる社会課題を解決する根本療法です。課題先進国である日本の首都東京であるからこそ、世界各地の先進事例の実態について調査研究を行い、教育政策の必要性と具体的な行動を指し示すことが私たちの本分なのです。

まずは、あらゆる社会課題を解決するために、異年齢の子どもや異世代の地域の人々との関わりの中で、自主性・創造性・社会性を実際の体験の中で育むことができる政策を立案・実行し、東京23区に水平展開することで、次世代を担う人財を育てる環境を構築しましょう。また、地域の力によって子どもの教育環境を改善するには、私たちが地域の中心となり、家庭・学校・地域の相互連携を確立しなければなりません。

都民一人ひとりが自ら進んで地域づくりに参画し貢献していく社会的気運を創りつつ、政策の実施と検証を繰り返す中で、新たな価値を創造し、一人ひとりにあった学びが選択できる地域社会を実現していきましょう。

共生社会の先にある全市民参画都市

私たちが住み暮らす東京は、地方からの人口流入が進んだこと等を原因とする地域への愛着・帰属意識の低下による地域コミュニティの衰退が指摘されて久しい状況にあります。地域の課題は「他人事」になり、高齢者、子ども、障がい者等への支援についても、公的な支援が中心になっています。

しかし、少子高齢化の進行によって、支援を必要とする高齢者が増え続ける一方、支え手となる現役世代は減少の一途を辿っており、公的な支援に頼り続けることは限界に来ています。また、介護と育児の問題を同時に抱える等、公的な支援だけでは対応しきれない事例も増えています。

今こそ、高齢者、子ども、障がい者を含めた全ての市民が当事者意識をもって地域の課題を「我が事」と捉え、それぞれが役割を持って支え合うことが求められています。誇りをもって個性を活かし、自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成し、福祉等の地域の公的な支援と協働して助け合いながら暮らすことのできる仕組みを構築することが必要です。多様な個性をもった市民が、地域課題の解決に能動的に取り組む社会の理想像を示し、共生社会の先にある全市民参画都市を創りましょう。

新経済市民団体としての経済政策を

私たちの国日本では、戦後長らく続いてきた経済成長を前提とする所得再分配を重視した社会主義的な政策の遂行により、「一億総中流」という言葉に表れるように貧富の格差が目立たない安定した社会が続いてきました。しかし、経済の成熟による低成長時代に突入し、少子高齢化の進展による社会保障費の増大を受け、行政の施策による所得再分配は限界に来ています。これからは、公的な支援だけに頼らず、民間の力を最大限に活かし社会全体の発展を実現することで、持続的な循環型社会を構築する必要性が高まっています。

そのためには、社会的影響力と実行力を持ち合わせた民間企業が積極的に市民の一員としての本分を果たすことが求められますが、資本主義経済の中で、自社の利益の増進のみを目的とした一面は否定できません。社会に参画する一員としての本分を自覚した民間企業は未だ一握りでしかないのです。

私たちは、市民の目線をもった青年経済人が集う新経済市民団体として、また日本経済の中心地である東京に住み暮らす青年経済人として、未来のために、このような課題に正面から立ち向かっていく責務があります。単純なる奉仕の精神による社会貢献活動だけではなく、社業の成長を通じて地域に貢献し、社会全体の発展を実現する。そして、自らの経済基盤にも好影響を与えるような好循環モデルを構築し、経済の中心地東京から日本全国に発信していきましょう。

全市民がSDGsに巡り会える東京に向けて

2015年9月に国連持続可能な開発サミットで全会一致にて採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、17の目標と169のターゲットから成り立ちます。2017年には経団連が行動指針をSDGsの理念に取り組むよう改訂し、一部の大企業は企業の社会的責任の推進の観点から、SDGsに賛同しはじめましたが、中小企業や行政、そして市民の積極的な参画はもとより、認知すら進んでいません。残念ながら、日本人のSDGs認知度は全体で1割強に留まっており、持続可能性を追求する世界共通の目標に対して、参加意欲と知識の低さがあるのです。また、東京都はSDGsに関して、明確な指針を定めることなく、専門部署さえ設置しておらず、東京23区内には独自でSDGsに取り組んでいる区が僅かにあるのが現状です。

私たちは2018年にSDGsを経営の基軸として、中小企業に取り入れるためのマニュアル「中小企業向けSDGs推進マニュアル」を作成しました。企業に対してのこの取り組みを続けると共に、市民や行政にもSDGsへの取り組みを推進し、東京全体でSDGsの認知度を向上させていくことが、世界共通の目標達成の第一歩となります。東京の行政と企業、そして全市民がSDGsを使いこなし、分野や地域の垣根を越えて長期的な視野を持つように意識改革を行うことができれば、イノベーションを創造できる環境が構築されます。世界共通の目標を浸透させ、未来に対して私たちが責任世代の中核となり、東京の明るい豊かな社会を描くことで、持続可能な都市の理想像を実現していきましょう。

高次元な相互理解が進む国際都市

現在、東京は世界を代表する国際都市として、政治・経済・文化の面において大きな影響を世界に与えています。戦後の焼け野原から世界屈指の国際都市に変貌を遂げたのは、偏に先人達が情熱を持って創り上げた努力の賜物です。東京青年会議所の設立趣意書には国際機関との連携の重要性が記されており、先輩諸兄は長年に渡り国際的な事業や運動で、世界中の人々に多くの夢とそれを達成するための機会を提供してきました。

2020年以降の東京は多岐に渡る分野で、更なる国際化が期待されています。特に、労働人口減少に伴う外国人労働者の受け入れは、社会に大きな影響を及ぼす直近の岐路です。その中で、東京における市民や行政は、増加の一途を辿る外国人労働者の受け入れに対して、十分な対策を取っていると言えるでしょうか。外国人居住者も、東京という社会を構成する市民としての自覚を持ち、日本人との相互理解を進めることで、多様性豊かな魅力溢れる都市「東京」となるのです。私たちが他国の人々と共に新しい価値を東京に創造することは、国際人の育成や多様性を高めるだけでなく、東京の国際社会での存在感を高めることに繋がります。先ずは私たちメンバーが姉妹JCとの関係強化、各種大会や国際的な事業への参画を積極的に行い、民間外交の先駆者となることで、東京の国際化に伴う社会課題に対して、具体的な解決策を見いだし、新たな価値を創造していきましょう。

全市民参画都市の実現を目指す組織として

会員拡大は東京青年会議所の設立当初からの運動であり、運動とは目的を達成するための活動や、各方面に働きかけることです。東京青年会議所は、入会年齢の高齢化に伴う平均在籍年数の短期間化という課題を抱えています。23地区委員会の中でも構成するメンバーの経験の偏りが存在し、それが原因で生ずる会員拡大運動の格差を解消していく必要があります。

2019年度は各政策委員会で政策が策定され、各地域において具体的行動として運動が展開されます。この運動が地域にインパクトをもたらすためには、多くの同じ志を持つ、入会者を迎え入れなければなりません。「個人」の交渉力に依存せず、手法を均一化し、持続的に会員拡大が行える仕組みを創り、強化していくことで1,000人LOMを目指しましょう。

会員拡大運動の理想は、会員拡大を意識的に行わずとも入会者が増加することです。青年経済人が東京青年会議所に入会すれば、「自らの企業や地域の発展を牽引できる人財として成長することができる」という社会的な信頼を確立し、私たちの運動に多くの市民を巻き込み、さらには共に運動を興す好循環を創り出し、全市民参画都市の実現に向けて先陣を切りましょう。

JAYCEEとしての経験値が向上する新たな研修を

入会年齢の高齢化に伴い在籍年数が短くなることは、メンバー自身が青年会議所運動から得られる機会と経験の減少をもたらします。これは、社会への人財輩出という役割を担う私たちにとって、非常に憂慮すべき課題であり、今までも解決に向けては様々な手法が検討、実施されてきました。例えば、2018年1月に施行された「委員長選任に関する規則」の変更です。2019年はこの規則変更の施行後、初の運用年度であり、全てのメンバーが変更の本意をしっかりと理解した上で、日々の活動に活かしていかなければなりません。

まずは、入会年度の浅いメンバーを中心にJCIの目的やJCIクリードの理解を通じて、JCが目指す未来、JCでやるべきこと、そしてその運動の価値について学び、考える機会を提供するとともに、運動のみならず運営についても実際に体験することができる、新たな研修の仕組みを創りましょう。全てのメンバーが多くの機会を、最大限に活かしていくことができるよう、今ある規則についても日々議論し、自らの成長に直結する施策を行い、数と質の両輪のさらなる充実を目指しましょう。

賛同者の獲得に直結する運動の発信

私たちが展開する運動の効果を最大化するためには、行政やNPO法人を始めとする関係団体と連携し、大きなうねりを創り出すことが必要です。地区委員会を擁し、東京都だけでなく23区それぞれの行政とパイプをもつ東京青年会議所は、行政と関係団体を結びつけるインターミディアリー(中間支援組織)としての役割に存在意義を求めていくことが必要です。そのためには、東京青年会議所のブランド価値を高め、行政、関係団体、市民から信頼され、必要とされる団体でなければなりません。

ブランド価値の向上は、一朝一夕に成し遂げられるものではなく、日常の運動を地道に発信し続けることにより、賛同者を少しずつ増やしていくほかありません。近年、効果ある発信としてあげられるSNSは、大きな組織からの一方向の発信ではなく、メンバー自身の発信が効果を生みます。しかし、現状では私たち東京青年会議所のブランドに寄与する発信を行うメンバーには偏りがあるため、個々の発信意識向上だけでは解決できません。運動を構築する計画過程での、適切な時期での発信を仕組みとして創り上げていく必要があるのです。また、過去70年間において、大きなうねりを興すにいたった運動を発信することも、普遍的なブランド価値の向上には不可欠です。

日常の運動の紹介というフロー情報だけではなく、社会に大きなインパクトを与えてきた東京青年会議所を代表する運動をストック情報として発信し、「東京JCブランド」を更なる高みへ押し上げていきましょう。

「東京JCブランド」としてのわんぱく相撲

わんぱく相撲は、青少年の健全育成を目的に掲げた教育事業として、過去40年以上にわたり継続されてきました。国内各地はもとより、世界にも拡がり、モンゴルやパラオ等、海外でも開催されるようになり、東京青年会議所の代名詞ともいえる事業に育っています。2018年には全ての地区大会においては事業移管が完了し、地域に根ざした運動となりました。

このような時間的、地理的な拡がりをもつわんぱく相撲は、もはや一つの目的を達成する運動の域を超え、東京青年会議所のアイデンティティを構成する不可欠な要素となっています。このように、社会に多くの賛同者を得るに至った事業は、更なるブランド価値向上のための大きな武器なのです。

私たちは、わんぱく相撲を過去の運動として歴史の1ページとするのではなく、更に女子全国大会という新たな挑戦を行い、「東京JCブランド」へも直結するさらなる効果を生む事業として積極的に展開していきましょう。

JCI、日本JCから得る新たな価値を全メンバーに

「鉄は鉄によって磨かれ、人は人によってのみ磨かれる。」

この言葉は旧約聖書の言葉ですが、青年会議所の活動の中で多くの経験を得る事を言い得ています。青年会議所の特徴である単年度制は、メンバーにとって多くの機会を提供しており、運動によって社会を変革する成果を追い求めることは、当然苦労や困難を伴いますが、そこから得られる新しい出逢いや経験、そして成功体験は一生涯の財産となります。特にJCI、日本青年会議所では東京青年会議所の中とは環境が大きく異なることもあり、非日常的な経験と学びを得る機会が多く存在します。入会の浅いメンバー等、全てのメンバーがこの機会を直接得ることは現実的ではありませんが、東京青年会議所を代表して出向しているメンバーの体験を共有することはできます。運動の大きさや出向先での出逢い、学びをLOMに還元をすることは、私たち東京青年会議所にとっても単年度で受けることができる最大の恩恵となるのです。遠い存在の出向者ではなく、出向先での活動を定期的に共有する仕組みを構築することで、さらなる青年会議所での活動の可能性を広げていきましょう。そして、同じ志を持つ出向者の皆さんが正面から向き合い創り上げた運動に触れることを目的として、各種大会にも積極的に参加していきましょう。

運動に成果を 世界に発信を

私たちの理念は「明るい豊かな社会の実現」であり、いずれの運動においても社会の変化を伴わなければなりません。社会の変化を生むためには、各委員会が年度における方向性、目標を明確にし、運動を行動指針に紐づける必要があるのです。

また、私たちの考えを一方的に発信するだけでなく、有識者、行政、民間企業、関連団体、市民を巻き込むことも重要です。「分析」「展開」「実行」「検証」のそれぞれのタイミングで、関係機関や多くの市民と連携することで、持続可能な運動を創り出すことができます。現在、私たちの運動に必要な資金の多くはメンバーの会費から賄われていますが、専門性が高く主張が明確な非営利団体は、多くの外部資金を得ています。これは、単なる財務運営面での効果にとどまらず、社会の多くの人が賛同していることを意味します。外部資金の獲得を行うことは、社会に大きな影響を与える運動の構築には不可欠な要素です。このように、行動指針の策定と運動の根源である人材と資金を得ることで、運動が社会にとって成果あるものとなるのです。

そして、アワードは私たちの運動を広く全国や世界に発信する機会となります。近年、東京青年会議所は国内外の各種アワードの申請に積極的に取り組んできました。2017年のJCI世界会議アムステルダム大会、2018年のASPAC鹿児島大会にていずれも私たちの運動が受賞しています。これは、東京青年会議所だけではなく、日本青年会議所とも感動を共有することができました。2019年度からは、JCIにて新たな中長期戦略が採択されます。この新しい中長期戦略に採用された先駆的な要素を、私たちの運動に取り入れる事で、常に時代に沿ったインパクトのある運動を創り上げることが可能になるのです。運動を俯瞰的に評価し、積極的にアワードに取り組むことで、先駆的な要素を運動に取り入れましょう。

おわりに

「社会」の中で「市民」が個々の能力を最大限に発揮できる役割、つまり本分を持つことが、全市民参画のスタートとなります。私たちが、青年会議所運動に触れたとき、社会が変わるという期待感に目覚めたように、多くの市民にも同じ想いを共有しましょう。

70周年という節目の年を迎え、今までの政策と運動の歴史を携えて市民と共にあらたな一歩を踏み出すのです。

人はみな目的を探しているのですから。

最初に人類が天空をじっと仰ぎ見て、宇宙のなかで自分はどこにいるのだろうかと深く考えたときから、世界に貢献する何かを、自分の足跡を後世に残せる何かを生み出そうとしたときから、わたしたちはみな目的を探し求めている。目的は人生を活性化する。- Daniel H. Pink (2009)  . Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us . Riverhead Hardcover . ( ダニエル・ピンク 大前研一 (訳) モチベーション3.0 講談社)