理事長所信

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公益社団法人東京⻘年会議所
第75代理事長 髙木 隆太

「明るい豊かな社会の実現」

私たちの基本理念であり、目指すべき社会像は、人々が笑顔に溢れ、互いに支え合い、ともに成長する社会です。東京青年会議所は、創始の青年会議所として全国の青年会議所に先駆けて75周年を迎えます。75年という長い歴史を紡いできたのは、「新日本の再建は我々青年の仕事である。」という先代が設立趣意書に掲げた信念です。先代はこの信念を胸に、未来への責任を感じ、変わりゆく社会課題に真摯に向き合い、地域のリーダーとしての使命を果たしてきました。その積み上げてきた実績と信頼があるからこそ、私たちは地域に根差して運動を展開し、多くの人々に希望を届けることができるのです。

周年を迎えるこの特別な年に、私たちは先代の想いや志を継承し、更なる高みを目指します。時代を振り返り、未来を見据える中で、私たちが先駆けて東京をデザインし、新たな価値を創造していくことが私たちに求められています。

世界が変化するスピードは速く、私たちを取り巻く環境は日々変化し続け、私たちの価値観も変容し、新たな転換点を迎えています。しかし、私たちが心から大切に想う地域、市民、そして家族や会社のために誰もが夢や希望を抱き、自己実現を追求できる社会にしていかけなければなりません。絶えず変化し続ける社会に立ち向かい、未知なる道を切り開きながら、社会とともに成長し続けることで、「明るい豊かな社会の実現」に繋がります。

今こそ、私たちが産官学民の連携の軸としての役割を果たし、英知を結集させ、無限の可能性を信じて行動する時です。その行動によって社会に新たな価値を生み出し、希望の光を解き放ち、絶え間ない笑顔が溢れる東京の未来を築き上げることが求められています。そして、私たちは地域に深く結びつき、未来のリーダーたちを一人でも多く輩出し、この社会に新たな可能性を広げていく使命を担っています。この使命に情熱を注ぎ、ともに歩む仲間と協働し、素晴らしい未来への一歩を踏み出していきます。

レガシーを紡ぎ、新たな飛躍を

32年ぶりに開催された全国大会東京大会を契機に、私たちは全国の多くの仲間たちやパートナーと繋がりを持つことができました。

そして、全国大会を主管する私たち一人ひとりが貴重な成長と発展の機会を得ました。この繋がりと経験こそが、私たちのレガシーだと考えます。この繋がりと経験を飛躍させるため、全国大会の記念事業を契機に始まった全国連携プロジェクトで協働した全国の青年会議所のみならず、東京ブロック協議会内の23の青年会議所とも運動面や人財育成面で協力し、共存共栄を図っていくことが必要です。

私たちは創始の青年会議所として、東京だけの発展を考える組織ではいけません。同じ志を持つ仲間たちと効果的な連携体制を構築し、運動を共創することにより、中長期ビジョンを軸として培ってきた新社会システムを全国に広げることができるのです。また、「人と人」「地域と地域」の繋がりによって、私たち自身の成長にも結びつきます。全国大会東京大会で得た大切な繋がりと経験を活かして、未来の東京のために、私たちが積み上げてきたレガシーをさらに飛躍させていきましょう。

2020年、東京青年会議所は5カ年計画の中長期ビジョンを策定しました。組織としてのゴールを定め、単年度制の弱点である継続性を補完することで、会員全員が同じ方向を向き運動を続けてきました。5カ年計画の4年目にあたる2024年は、2025年の中長期ビジョン改訂に向けて、中長期ビジョン改訂検討協議会を設置し、私たちのビジョンが運動にどのように影響を与え、明るい豊かな社会の実現に寄与したのかを検証して2025年への布石として進めていきます。

私たちは、新型コロナウイルスの感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻による影響をこの4年間で経験してきました。今後、私たちが想像もできなかった出来事が起き、様々な最先端テクノロジーが生まれるなど、世界は目まぐるしいスピードで前へ前へと進んでいくことでしょう。そのような環境の中で、戦略の修正を前提としながらも、私たちが先駆けて東京の未来のビジョンをデザインし、具体的なアクションへと動き出すことで、組織として新たな進化を遂げていきます。

未来に繋がる運動をデザインする

いつの時代も私たちは社会課題を発見し、多くのカウンターパートとともに未来を見据えた解決策を思考し挑戦してきました。

不確実で予測困難な社会だからこそ、私たちは常に最新の情報を学び、青年としての英知を結集させ、運動をデザインしていきます。そのためには、有識者に話や意見を聞き、仲間と侃々諤々の議論を重ねて、より良い解決策を見つけ出すことが必要です。

行政や企業では取り組むことができない、青年会議所ならできる、青年会議所だからこそできる新社会システムの構築に取り組んでいきます。運動を構築する楽しさ、その無限の可能性を一人でも多くのメンバーに理解してもらい、未来の課題を予測し創造する運動をデザインしていきましょう。

これまで、東京青年会議所は、地区の特徴や各地区が築いてきた関係性を重視しながら運動展開をしてきました。そして、これからもメンバーに主体性を持たせ、「参画」するメンバーを増やすことにより、社会により良いインパクトを与えていきます。

2023年に32年ぶりに全国大会東京大会を主管し、地域の産官学民と全国の青年会議所と連携しながら大会を構築してきました。この経験で得られた関係とこれまで紡いできた連携をレガシーとしてさらに深め、未来の「日本のため」「東京のため」「地域のため」「子供たちのため」となる運動を共創していきます。

どんな社会が訪れようとも臆することなく、変化に強い組織として、未来に向かってワクワクする挑戦をし、仲間とともに未来をデザインしていきましょう。

共感の響きが広がる、共創の例会へ

例会の意義は、「メンバー全員が参画し、一体感を持って運動を社会へ発信すること」です。私たちが例会の開催意義を改めて理解し、東京青年会議所のプレゼンスを高め、私たちが積み上げてきた新社会システムをより広く発信できる場として例会を効果的に活用する必要があります。

例会を構築するメンバーは委員会の垣根を越え、メンバー同士の繋がりをより強固にするだけではなく、多くの成長の機会を得ることができます。また、メンバー以外のカウンターパートを巻き込むことで、客観的で多角的な視点で事業構築をすることができます。カウンターパートの背景にある人脈や経験を活かすことで相乗的な効果をもたらし、私たちのみで作り上げる例会ではなく、「共創」を軸とした例会を構築していきます。

共創の例会は、携わる多くのメンバーとカウンターパートとの交流や更なる成長の機会の提供に繋がるだけでなく、より多くの市民に共感され、東京青年会議所のブランディングにも寄与します。この「共創」の輪を広げることで共感の響きが広がり、推進運動にも繋がる好循環を作り上げていきます。

例会の参加率が40%前後となった今、「例会」と「事業」の違いを理解し、社会に対して変化を生み出せる例会を目指します。私たちが多くの課題に対して立ち向かい、持続可能な社会をデザインしていきましょう。

「地球と人」「人と人」とをつなぐ持続可能な共生システムの構築

持続可能な「地球と人」との共生社会の実現は、経済と環境の好循環によってもたらされます。東京青年会議所は、2021年より2050カーボンニュートラル宣言を先導し、多くの地域のパートナーとともにカーボンニュートラルを推進し、2023年には、エシカル消費を促進し、生産者と消費者の行動変容をもたらしてきました。これらの運動を検証し、さらに推進し、「地球と人」とをつなぐ持続可能な地域社会を創り上げていきましょう。

そして、共生社会の実現にとって、都市のDX化と新たなコミュニティの創出は密接に関連する重要な要素です。デジタルテクノロジーを活用することで、都市の効率性や利便性は向上し、都市はスマートシティとして発展するだけでなく、コミュニティの創出がもたらされ、「人と人」とを結びつける、人間を中心に考えた持続可能な都市づくりが可能となります。

地域コミュニティプラットフォームやオンラインコミュニティスペースによって、地理的な制約を超えて人々は繋がり、共通の関心事や目標を持つ人々が集まり交流していくことで、地域の絆や新たな協働関係を生み出し、地域社会を共創していきましょう。

デジタルテクノロジーを活用し、人間中心のアプローチを大切にする「人と人」との繋がりをもたらしながら、ともに「地球と人」との共生社会を実現する持続可能な未来に向けた地域社会をデザインしていきましょう。

真のグローバリゼーションと恒久的世界平和の実現

新型コロナウイルスや地球温暖化の進行、人口減少など地球規模の共通課題が顕在化している中、ウクライナ侵攻により、世界の分断は加速し、緊張が高まっています。緊迫した世界情勢の中で、私たちが率先して世界の分断を解消し、真のグローバリゼーションを実現し、恒久的世界平和の実現と繁栄を図っていきましょう。

東京に住み暮らす外国人は年々増加し、国籍や人種も多様化しています。言語や文化の壁を乗り越えるための外国語教育や異文化コミュニケーションの機会を創出し、国籍や人種の別なく、ともに仲間として協働して活躍できる多文化共生社会を実現しましょう。

また、日本の技術や知識を世界に発信することだけでなく、海外から学ぶことも非常に重要です。国際経済と密接な提携をすることにより、海外の技術や知識を活用し、研究開発や技術移転の推進、国際的なビジネスモデルの導入を率先して推進し、世界情勢を踏まえたイノベーションを促進しながら、競争力を向上させ経済成長していきましょう。

私たち青年会議所だからこそ、海外の姉妹青年会議所や国際的な会議といったJCIのネットワークを大いに活用することができます。世界各国との繋がりを活かし、国際機関との連携の元、各国の相互理解を深め、国際的な課題解決をデザインしていきましょう。

全てのこどもが笑顔で暮らせる地域参画型福祉システムの構築

2022年の出生数は77.1万人と初めて80万人を割り込み、少子化は加速の一途を辿っています。少子化と高齢化が進み我が国の人口減少が進行する中、若者人口が急速に減少する2030年代に入るまでが、人口減少を食い止める重要な分岐点であり、日本の少子化トレンドの反転に向けたラストチャンスとされています。今こそ社会全体で、この急速化する少子化、人口減少を食い止めなければなりません。

東京青年会議所は、ベビーファースト運動を行政に推進し、子育て政策に取り組んできました。そして、2023年には、東京23区の社会福祉協議会と連携し、有事に備えた地域での協力体制を推進してきました。

この東京23区での社会福祉協議会との連携をさらに推し進め、こども・子育て支援にも活かし、東京青年会議所が軸となり、年齢や性別を問わず全てのこども・子育て世帯、住民、企業をはじめとした地域の様々な主体とともに、未来こども・子育てワーキンググループを設置し、地域社会全体でこども・子育てを応援できる社会を創っていきましょう。

その成果を「TOKYO未来こども・子育てビジョン」として、こども・子育てにやさしい新たな福祉社会システムを先駆けてデザインしていきましょう。

社会的課題を解決する新たな経済社会システムの構築

高齢化や人口減少の中、地球資源の有限性とも相まって、従来の「拡大・成長」型の経済システムの維持は、持続可能性という観点からは限界を迎えつつあります。企業の稼ぐ力だけでなく、企業も社会も持続可能性を重視した転換を図ることが必要であり、東京青年会議所は、SDGsを活用した新たな付加価値の創造、健康経営を軸としたウェルビーイングの推進に取り組んできました。

戦後、若者が創業したスタートアップは、日本経済を牽引する大企業として成長を遂げました。スタートアップは、イノベーションの源泉であり、新たなビジネスモデルや技術の開発へと繋がる経済成長の羅針盤となる存在です。スタートアップが成長し、日本経済を牽引しグローバルに成長するためには、企業と社会の持続可能性をもたらす新付加価値創造型経済を創出するビジネスモデルが不可欠です。

DXによって企業の業務プロセスの効率化やデータの活用、顧客体験の向上や革新的なサービスを提供し、AIを活用することで、社会的課題の解決を成長のエンジンに転換していきましょう。

我が国では起業家・起業数が伸び悩んでいる現状があります。企業と行政が連携することで、スタートアップを大きく生み育むエコシステムの構築を推進しましょう。
持続可能な経済の成長と東京の競争力の向上を促進し、社会的課題を解決するための新たな経済社会システムをデザインしていきましょう。

人生をデザインし、社会をデザインする教育システムの構築

グローバル化は社会に多様性をもたらし、情報化や技術の進展により社会には質的変化がもたらされました。そのような時代においては、従来の知識伝達型教育システムから脱却し、多様性を包摂する環境の中で自ら課題を設定する能力を培う課題創造型人財の育成が必要です。

科学や技術の進歩が加速する現代社会では、単一の専門知識だけでなく、異なる分野を結びつけ、新たなアイデアやイノベーションを生み出す力が求められています。STEAM教育の推進は、学び手に将来の社会や産業に必要なスキル、知識を養うための重要な手段です。

人生100年時代では、人生のあらゆるステージにおいて、人生の豊かさという観点から学習の意義を見つめ、常に新しい知識と技術を身につけ、自らの人生をデザインすることが重要です。人生のあらゆるステージにおいて学び続けることができる環境を構築する、生涯学習を推進します。

STEAM教育は、生涯学習の柱として、個々の能力や興味に合わせたカリキュラムやプログラムを提供し、自己表現力やチームワーク、批判的思考などの能力を磨く一方、様々なステージにいる人々が自己成長やキャリアの進展を追求できる環境を整え、課題創造型人財を育成するための基盤を提供します。そして、老若男女がともに学ぶ場を作ることで、世代を超えて互いに影響し合える相乗効果を生み出すことができます。

学びは社会に還元され、社会全体の活性に繋がります。社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、世代を超えてより良い社会を創る社会に開かれた教育を実践するための教育システムを構築し、社会をデザインしていきましょう。

政策を共創し、未来をデザインする政治参画システムの構築

子どもから高齢者まであらゆる世代の市民が、主権者として、多様化する国内外の諸課題について情報を収集し、合理的な選択をし、判断をすることができる社会の構築が必要です。

2016年に選挙権年齢が18歳に引き下げられましたが、若者の投票率は他の世代の投票率に比べて依然として低いままです。将来を担う若者世代に主権者意識の醸成し、社会に参画する経験を持つとともに、政治への意思を社会に発現する力を養うことが重要です。そこで、将来を担う若者世代にこそ、投票をはじめとした政治参画へと導くための、実践的な主権者教育を推進しなければなりません。

東京青年会議所が5カ年にわたり展開してきた模擬請願事業は、従来の単なる知識伝達型の主権者教育ではなく、子どもたちや若者に対して、社会課題に対する課題意識や提案能力を養い、実践的な政策形成への参画の経験を提供することにより、将来のリーダーシップ育成に繋げていく実践的な主権者教育であり、東京モデルとして確立しました。

今後も、模擬請願を、全国に広域展開していきましょう。また、政治参画の促進のためには、ICTを活用した政治参画システムの構築が有効です。ICTの活用は、市民の政策の合理的選択と容易な投票行動を可能とします。そして、市民と行政とを繋げ、選挙権の有無に関わらず、同じ市民として政策づくりに参画することを可能とします。

市民が我が事として積極的に政策形成に参画し政策を共創する政治行政システムを構築し、今と未来をデザインしていきましょう。

歴史の糸で未来を織る

私たち一人ひとりが、「明るい豊かな社会の実現」を目指し、地域の課題に真摯に向き合い運動を展開している青年経済人として、次世代に向けて未来を先導していく責任と義務があります。2024年は東京青年会議所設立75周年を迎え、そして23区の地区委員会が設置されてから50周年という大きな節目の年です。歴史を振り返り、先輩諸兄姉の想いを継承し、新しいスタートを切る年にしていきましょう。

今後の東京青年会議所の発展には、持続可能な運動構築は必要不可欠ですが、そのために東京青年会議所のブランドともいえる75年という長い歴史を紐解き、先輩諸兄姉の想いを紡ぐことが重要です。75周年式典では、東京青年会議所の歴史を築いてきた先輩諸兄姉のみならず、連携を重ねてきた産官学民のカウンターパートや、全国各地の青年会議所から理念と志を同じくする多くの仲間たちが一堂に会します。

75年の運動の軌跡を振り返りながら、23区の地区委員会の多様な個性を結集させ、周年式典を構築していきましょう。さらに、2021年より推進してきた中長期ビジョンを軸とした新社会システムの成果を全国のメンバーに広く発信し、共有することで全国との共存共栄を推進していきます。

75周年という節目の年に、全国大会で得たレガシーをさらに飛躍させ、東京の未来をともにデザインしていきましょう。

フレンドシップこそ未来への絆

いつの時代も青年会議所は、私たちに新たな発見と多くの学びの機会を与えてくれる場所です。この組織を持続可能な組織にするために、世界中、日本中にいる志を同じくする仲間たちとの協働関係をより強固なものとすることが不可欠です。そして、協働関係を築く過程において、メンバーが常に成長し続ける仕組みを継続的に構築することが重要です。

2023年に全国大会の主管を務めた私たちは、開催に至るまでに数々の困難に直面しながらも、多くの成功体験を共有し、大会の企画や運営に関わる苦労や道のりを理解してきました。毎年、青年会議所の諸会議が、国内外様々な地域で開催されています。大会構築を支える全ての同志を想い、次は参加者として一人でも多くのメンバーを巻き込んで参加しましょう。諸会議において仲間たちの推進している運動やアイデアを吸収し、私たちの運動構築に活かしていきましょう。

青年会議所はグローバルな組織であり、世界中の仲間たちが同じ志をもって日々地域に根ざして活動しています。2024年世界会議は台湾にて、ASPACはカンボジアにて開催が予定されており、アジア太平洋地域が世界のメンバーからスポットライトを浴び、世界を牽引する年となります。この機会に一人でも多くのメンバーが青年会議所活動の醍醐味である「世界との友情」にリアルに触れることこそが、今後の東京青年会議所の持続可能な発展のために肝要と考えます。

青年経済人として、各々が国境を越えて協働関係を構築するリーダーとして、ともに成長していく必要があります。そして、私たちの運動も国際の舞台で積極的に発信することは、東京青年会議所のプレゼンスを高めることにも繋がります。
この国際的なフレンドシップの輪を、恒久的な世界平和への一歩として明るい未来をデザインしていきましょう。

仲間とともに成長する組織へ

1989年、1422名ものメンバー数を擁した東京青年会議所は、メンバーの減少傾向が続いています。また、入会から卒業(40歳)までの活動期間が短くなることで、青年会議所における役職経験や運動から得られる機会の提供が十分に行われていません。次世代のリーダー育成を担う青年会議所として、これらの課題を早期に解決すべきです。

現在、入会直後のメンバーは、GMセミナー(新入会員向けセミナー)を経て地区委員会に所属し、地区委員会で青年会議所や運動についての知識を学び、育成される仕組みとなっており、新入会員向けの育成プログラムは地区委員会によって異なります。そのため、青年会議所の理念や目的、活用方法については、地区委員会によっても様々です。

メンバーが力を発揮でき、組織や委員会を持続的に発展させていくためには、メンバーの成長を組織として平準化させる仕組みを構築する必要があります。

これらの課題を解決するために入会歴2年以内のメンバーを中心に、JCIミッション、JCIビジョンの理解を通じて、JAYCEE(会員)としてなすべきこと、青年会議所が組織として目指すべき未来、さらに、その運動の価値について学ぶことができる会員拡充プログラムをデザインしていきます。また、東京ブロック協議会のアカデミー研修委員会と共同事業を実施し、ともに学び合い成長することで、共通課題として抱える「次世代のリーダー育成」をALL TOKYOで実現していきます。

入会後のメンバー一人ひとりが自発的に活動することにより、地区委員会における活動にこれまで以上の幅が広がり、ともに切磋琢磨する仲間(同志)との共感が生まれ、成長への意欲向上に繋がるようにデザインしていきましょう。

共感を奏でるブランドをデザインしよう

70年以上の歴史を有する東京青年会議所においても、社会的な認知度はまだまだ低く、ブランディングという観点では課題を抱えている現状があります。2020年に策定した中長期ビジョンの浸透こそがブランディングであり、認知度向上のために必要です。ここで掲げた6つのビジョンを軸に地域の課題解決を目的とした先駆ける運動を展開し、対外広報を通じて市民に伝達していきます。

まずは、新たな試みとして、例会や地区委員会のチラシデザインを統一しブランディング力を高めます。また、事業の参画者に「共感」が生まれ、参画者にファンとなってもらうために、情報の集合体として東京青年会議所の公式LINEを創設します。そして、東京青年会議所の参画者が、私たちの運動を理解し、ペルソナ設定による適切な事業対象者へ「共感」を伝達していくことで、東京青年会議所のブランディングに繋がります。

また、45年以上の歴史を持つわんぱく相撲は、現在の青年会議所において最も認知されている事業です。わんぱく相撲は、心豊かな青少年の育成を目的としており、多くの市民から「共感」を得ています。2023年には、モンゴルからのわんぱく力士の参加だけでなく、ウクライナからのわんぱく力士も参加し、行政やメディアなどからの支持を受け、東京青年会議所のブランド力を向上させる奇跡の年となりました。

東京青年会議所が長い歴史を持つ事業である、わんぱく相撲の未知なる可能性を信じ、我が国固有の伝統文化である相撲を国内外へとさらに広げていきましょう。そして、私たちだけでなくカウンターパートとともに「共創」するわんぱく相撲を目指し、さらに「共感」を奏でるブランドをデザインしていきましょう。

組織の未来を紡ぐ、運営の使命

運動と組織運営において、内外に高い存在感を示すためには、階層的な構造だけでなく、横断的な繋がりや情報共有を重要視した組織体制の構築が不可欠です。

現在運用されているメンバー向けの情報共有システムを見直し、メンバーがより容易に情報を取得できるよう機能を拡張し、包括的なツールに刷新することで、メンバーが情報にアクセスしやすくなり、より積極的に事業や例会に参加できる環境を整えることができます。また、審査においてもデジタルツールやテクノロジーを活用することで運動を効率化し、情報共有とコミュニケーションの円滑化を図ることで、時代に即した組織へと発展させましょう。

東京青年会議所のプレゼンスを高めるためには、運動の成果はもちろんですが、私たちの想いに賛同してくれるスポンサーの存在が大切です。社会と繋がりネットワークが拡大することで、組織の声や提案がより広く認知され、意思決定や政策への影響力を向上させることができます。外部の資金面のみならず、新たな賛助企業の拡充を目指したパートナーシップの輪を23区に広げていけるようデザインしていきましょう。

さぁ、今こそ東京の未来を「デザイン」しよう

これらのアクションを起こすのは、私たちです。私たちは、行政の立場ではなく、常に社会の中心である市民の立場に立ち、本質的な課題やニーズを発見し、社会的課題を解決するためのデザイン思考が必要であると考えます。このデザイン思考は、人と人との「共感」を生み、「共感」が広がることで、イノベーションの創出や組織力の強化に繋がります。

社会を変革するリーダーとして、私たち一人ひとりが課題の本質を見極め、具体的な計画を立案し、カウンターパートや市民とともに運動を「共創」することにより、市民から多くの「共感」が生まれる組織へと変革させていきます。この社会における「共感」があるからこそ、新たな人たちとの間で、多くの新たな出会いが生まれていくのです。この出会いを会員拡大のみならず、会員拡充に繋げることにより、ブランディングへと結びつきます。多くの共感を連鎖させ、共創価値を高めていきましょう。

大切な家族や会社、住み暮らす街も全てが社会です。
誰もが未来の社会に希望や夢を抱き、少しでも幸せな暮らしを築けるよう、
今こそ私たちが未来の東京に希望や夢が満ち溢れる社会を共にデザインしていきましょう。

創始の想いを未来のために紡ぎ、志高くアクションへ。

笑顔が溢れワクワクする未来を創るために。

公益社団法人東京⻘年会議所
第75代理事長 髙木 隆太
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