例会事業から実現した人気YouTuberとの対談。
ラファエル氏との対談で、見えてくる青年会議所、そしてその思いとは何か。
青年会議所とは何か
ラファエル氏(以下 ラファエル)本日はよろしくお願いします。
下山田理事長(以下 下山田)よろしくお願いします。
ラファエル 青年会議所の名前はよく聞くのですけど、正直どういう活動してるかわからないです。今日はそちらを教えていただけますか。
下山田 青年会議所は、公益社団法人格を持っている団体です。会議所は今日本に690ヶ所くらいあります。
ラファエル そんなにいるんですか!とんでもない人がいますよね。
下山田 そうですね。今大体日本で3万人ぐらいいますね。
ラファエル 3万人ですか。日本でってことは、世界にもいるってことですか?
下山田 世界では120カ国ですね。
元々はアメリカのセントルイスでできた組織なんですけど、それが広がって今の形になりました。
ラファエル なるほど、やはりめちゃくちゃ大きな団体ですよね。青年会議所という名前も日本で生まれたものなのかなと思ったんですけど。海外の団体が発祥なんですね。
下山田 はい、英語だと「Junior Chamber International(ジュニア・チャンバー・インターナショナル)」と言います。
ラファエル 発音がいいです。できる人の発音です。笑
ちょっとびっくりしましたが、そもそも青年会議所はどういう目的の団体なんですか。
下山田 青年世代として40歳までに経験を積んだり、社会奉仕をしたり、国際的なネットワークを作っていく活動をしています。主には人材開発として個人としてどう成長するかであったり、組織をどうマネージするのかであったりを学んでいますね。また、学ぶだけではなくて、それを活かす機会があります。社業で活かすのもありますが、公益社団法人という枠組みで、例えば地域での課題を行政や、賛同者や、他の市民団体と一緒に解決することができます。社会開発ができるところが魅力ですね。
ラファエル 大きく社会貢献できるんですね。立ち上げたばかりのベンチャーでも勉強になるし、繋がりもできるしといったメリットも感じられる。そうやって社会を何か良くしていくことをやってるってことなんですね。
下山田 そうですね。
ラファエル そのための集まりなどあるんですか。
下山田 いくつかありますが、月に1回東京全体で集まる例会があります。
ラファエル 僕が11月22日に呼んでいただいているものですね。本当に大きな団体なんで、ビジネスのフリーメーソンみたいなものですね。笑
下山田 規模的にはそういうことですね。
フリーメイソンの例会には私出たことがありますよ。たまたま近所に住んでいた方から一緒に行こうって言われて。笑
ラファエル 僕都市伝説好きですからよく見ますけどびっくりです。でも、同じように何か世の中を良くする活動をしているということですよね。
下山田 そうですね。僕らは青年世代で、20歳から40歳の人たちが中心になってくれています。会員数でいうと世界で今大体17万人くらいですね。40歳を超えてる方を含めるともっと多くて、数百万の規模になるかと思います。
ラファエル 原則、経営者であれば入会できるという認識ですか。
下山田 社会をよくしたいという気持ちがあればどなたでも入れます。
ラファエル 下山田理事長は、社長として社業を持ちながら東京青年会議所の理事長もやられてるということですが、忙しいんじゃないですか。
下山田 確かに、時間はかけていると思います。ただ、やはり普段の社業ではお会いできない方と会うなど、様々な経験をさせていただくことができますね。
青年会議所の可能性
ラファエル 社業と青年会議所の関係性はどのようなものと思われますか。
下山田 はい。社業だけだと自社の従業員は大体50人ぐらいです。そこに留まっていれば、組織運営としては50人で終わってしまうと思うのですが、青年会議所であれば、そこで100人規模だったりとか、500人規模の組織運営を学べるところがあります。
たとえば直近だと、社員の方々が働きやすく働きがいとか生きがいを見つけてもらえるような環境を中小企業の中で増やしましょうというウェルビーイング経営を進めるプロジェクトをやっていましたし、今は、SDGs制度融資をJC主導で行政や金融機関と話を進めています。プロジェクトで得られた成果は、提言として行政に提出することもあります。
そういう制度自体の仕組みを作れるっていう醍醐味がJCにはありますね。
ラファエル すごいスケールですね。
下山田 青年会議所自体、74年間続いてる団体ですからね。
ラファエル 74年も続いてるんですか。
入って良かったこと悪かったことなど、ありますか。
下山田 良かったことは、やはり組織マネジメントなど学べるということです。その中で人脈もできましたし、実際仕事に結びつくケースもあります。いきなりビジネスを全面に押し出すわけではないのですけど、一生懸命やってると、あの人だったら信頼できるなとお仕事いただいたりとか、社業で困ってるときに助け舟を出していただくとかありますね。
ラファエル 強いて悪いところを挙げるとすればどのようなことですか。
下山田 やはりその分時間を使うときもあります。
また、バックグラウンドが違う方たちと大きな事業にあたるので、自分の常識が当たり前じゃないということに気づかされると思います。効率的にやっていないと会議が長引いてしまったりとか。これは逆に良い点かもしれませんが。
ラファエル ポジティブに捉えたら全部いいことですよね。勉強できるってことですし。
ラファエル 会員はやはり経営者が多いんですか。
下山田 そうですね。ただ、経営者の他にも会計士や弁護士といった士業の方もいらっしゃいますし、代議士の方もいらっしゃっいます。
ラファエル 僕入ろうかな、青年会議所。
理事長よろしくお願いします。笑
下山田 はい。ラファエルさん来てくれたら、会員が大きく拡大しちゃいます。
ラファエル 毎回登壇させられるのは嫌ですけどね。笑
本当に興味あります。僕いわゆるパーティーとかには、行かないんですけど、社長さんたちの集まる会議には行くんですよ。
目的としては同じで、人がいて勉強になって結果仕事に繋がるという。それが青年会議所にあるということですよね。
ラファエル でもなぜ40歳までなんですか。
下山田 考え方としては、40歳までに学んで成長して、それからは各々の社業とか地域で活躍してくださいということです。
ラファエル なるほど。
青年会議所にはいろんな会員がいると思うのですけど、優秀な人材の共通点はありますか。
下山田 私が優秀だと思うのは、自発的に行動して考えて改善点を必ず伝えてくれる人ですね。
何か指摘をしたときに、ただそれは駄目と言うのじゃなくて、もっとこうした方がいいと提案ができる人は、それだけ考えることに時間を費やしていると思いますね。
ラファエル なるほど。
国際的にも幅広い活動されてるということですが、具体的にはどういったものがあるんですか。
下山田 東京青年会議所でしたらソウル、台北、シンガポールといった姉妹青年会議所が海外にあります。近年だとSDGsという共通課題に対して、各国の青年世代が一緒に活動していますね。
ラファエル 無限の可能性があるってことですね。
下山田 持っていき方次第ですが、確かに無限の可能性があります。
ラファエル 実績というわけではないですけど、青年会議所が発端の活動とかって何かありますか。
下山田 古いので言うと、「手を挙げて横断歩道を渡りましょう」という標語が実はJC発祥です。
ラファエル そうなんですか。素晴らしいです。ちっちゃいときからそれを言われてますし、未だにうちの子供もそうですから。
それが、JCから発祥したっていうのがすごい。そういうことも変えれちゃう団体なんですよね。
下山田 そうですね。
行政だけではやりたいことを広く展開できないときに、僕ら市民団体が運動をもっと大きくできることもあります。
あと、僕らは別に失敗してもいいと思っています。
失敗から学べばいいじゃないかと。だから新しい提案ができるのかもしれないですね。
ラファエル ちょっとしたことでも、明らかにこれおかしいよね、本当は変えられそうででもそれが常識になってるものっていっぱいありますよね。
下山田 そうですね。そこに一石を投じるのは、僕ら若い世代だから許されることなのかなっていうのもあるし、未来の世代に向けて変えた方がいいだろうって思うことはたくさんありますね。
ラファエル 変えたいことめっちゃありますよ。
エレベーターを乗ったときに閉まるボタン押さないで、最初に階数ボタン押すのは法律で無しにしてほしい。
すみません、そういうことじゃないですよね。笑
東京における”地域益”の形
ラファエル 理事長は、今おいくつですか。
下山田 今年38歳になります。
ラファエル もし今20歳に戻ったら何やりますか。
下山田 もう11年青年会議所に入っていて、今の立場だと青年会議所に入りますというのが正しい答えだと思うんですけど。
でも、もう1度20歳になって時間があれば、世界を見て回りたいというのはありますね。
ラファエル なるほど。でも、40歳で卒業されたら、多少時間はできますよね。
下山田 どうですかね。笑
もちろん多少の時間はできると思うんですが、やっぱり学んだことを社業だったりとか、地域とか家族っていうところに還元していきたいなと思ってます。
ラファエル 還元する精神すごいですね。
忙しいから休日とかも全然ないですか。趣味とかは。
下山田 趣味はアウトドア好きで、冬はスノボ行ったりとか、夏はスキューバダイビングとかですね。
ラファエル 結構アクティブなんですね。人生楽しそうです。笑
ちょっと真面目な質問ですが、好きな言葉とか座右の銘みたいなものはありますか。
下山田 心の中にある大事な言葉として、良い師弟関係を表す「卒啄同時」があります。雛が卵から孵化するときに、”卒”は内側から殻を叩くこと。”啄”は親鳥が孵化を手助けするために、外側から殻を叩くこと。
誰かがもがいて何かを成し遂げようとしてるときに、それを師であったりとか先輩とかが手伝ってあげる好循環というか。自分も非常に多くの方からお世話になってきているので、やはり一皮むけて成長したいという思いもありますし、後輩世代だったりとか、人が何か成し遂げようとしてるときに助けてあげたいと思ってます。
ラファエル なかなか日本人の悪いところでもありますけど、どうしても出る杭は打つみたいなところ、風潮としてあるのかなと。なかなかそういうふうにやってくれる先輩も少なかったですから、大事ですよね絶対。
下山田 ただ、人に叩かれるのは才能があったりとか、一目置かれてるからだと思いますから、それはプラスに捉えてほしいと思います。意地悪してくる人もいると思うんですけど、それは反骨精神でなんとか乗り越えてほしい。
ラファエル めちゃくちゃプラスに考えるんですね。
下山田 ポジティブなところしか取り柄がないですから。笑
ラファエル いやいや、そんなことないですよ。
青年会議所において大切にされてる指標などありますか。
下山田 利益のためにやってるわけではないので、出会った人たちがどう成長していくのか見ることが、今自分がすごく大切にしてることです。私もあと2年でJC活動が終わってしまうのですけど、出会った人がより良い人生を歩んでほしいし、夢に向かって頑張ってる姿を応援したいし、逆に自分の夢を応援してくれているとも思うので。
ラファエル すごいですね。同じ社長やっていても、僕にはそこまで心の余裕がないですから勉強になります。
そういうふうに思わないと駄目ですよね。
下山田 そうですね、実は私も青年会議所をやめようと思ったことが1回あります。
4年前に、先代の社長であった父が急逝してしまったんです。
事業承継をすることになって、こんなときにJCなんてやってる場合じゃないだろうって言われたんですよ。
だけど会社に留まっても、この50人の組織を見るだけだし、あと4,5年しかないから青年会議所やらしてほしいと話をしました。そうやってもがいてるときに応援してくれた社外取締役の方も70歳超えてますけども、応援していただいたので、そこは同じ気持ちを持ちたいなと思います。
ラファエル 素晴らしいですね、そんなふうに思えないです。人ができてるすごいな。
メッセージとして
ラファエル 最後に、特に若い方に向けて一言もらってもいいですか。
下山田 はい。時間は平等なんですけれども有限なもので、今何かを達成されようと思って頑張っていらっしゃる方はぜひ1人で悩まないで、多くの方と触れ合って、経験を積んでいただきたいと思います。
そして、できれば自分たちが生活している空間だけに目を向けるのではなく、地域との繋がりも感じてほしいと思います。
今の生活から一歩踏み出した先にご自身が成長される機会というのも多くあると思いますので、ぜひとも私たちと一緒に日本をより良くしたいと思っていただければ幸いですし、皆さんの夢の達成に向けて、エールを送りたいです。
ラファエル ありがとうございます。新しい角度の話、すごく勉強になりました。
下山田 ありがとうございました。