公益社団法人 東京青年会議所(東京JC)

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公益社団法人 東京青年会議所2月例会報告

2月例会報告

Updated date 2016/03/23

2016年度2月例会

『都市の高齢化を考える~21時まで生討論! どうなる東京?~』

 平成28年2月16日、有楽町朝日ホールにて2016年度2月例会『都市の高齢化を考える~21時まで生討論! どうなる東京?~』が開催されました。

 
 

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【委員会発表・オープニング映像】

 

まず、反町雄彦委員長より本例会の趣旨、今年度の総合政策特別委員会が取り組む都市の高齢問題に対する4つの例会について説明がありました。2月例会では人口減少・超高齢化によって東京・日本が直面する問題点の把握と危機感の醸成、5月例会ではパラレルキャリアによる「働き方」改革、7月例会では多世代交流と教育・共育、11月例会で都民意識調査を踏まえて2017年のJC運動の提案、という年間計画が示されました。
続くオープニング映像では高齢化の進展が招く問題点をビジュアルに示しました。参加者の多くを占めるJCメンバー(不動産業や保険業、士業が多い)に危機感を持たせる内容となっていました。

 


オープニング映像(Youtube)

 

【基調講演】

 

2014年に日本創成会議の座長を務められ、少子化によって消滅可能性がある自治体を具体的に指摘された増田寛也氏による基調講演が行われました。

 

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若者人口(労働者人口)が多く高齢者が少ない理想的な人口ピラミッドが、将来は、逆ピラミッド型の人口構成に変わること、国全体のマクロな目線で見落としがちな実感を「わが町」である自治体単位で捉え、リアルに実感することの重要性をまず話されました。

団塊世代は団塊ジュニア世代の支えが期待できるのに対し、30年後、40年後、現在40歳前後の団塊ジュニアが高齢者となった時には、支える下の世代がいない、という厳しい現実も指摘されました。この難題を解決するためにも子育て世代に対する支援が求められること、沖縄や離島の出生率が高いのは所得の高さよりも働き方、親族間の支え合いに要因があること、という話も示唆に富むものでした。一都三県では高齢者数が急増し、特に要介護状態の高齢者が増えていったときに、高齢者施設・介護サービスを提供する人材が両方とも不足する問題についても警鐘を鳴らしておられました。

さらに日本は結婚と出生の関係が比例しているが、事実婚での出産・育児が社会的に受容されている国もある、といった国際比較も指摘されました。

 
 

【パネルディスカッション】

 

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朝まで生テレビの司会としても有名な田原総一朗氏をコーディネーターとして、パネリスト3名による活発な議論が行なわれました。パネリストは、①増田寛也氏、②『人口負荷社会』等のご著書もあり、長年、人口減少を大きな課題として研究・発信されている経済学者の小峰隆夫氏、③フェミニズム研究のパイオニアであり、かつ、シングル女性(おひとりさま)の生き方について研究・発信されている社会学者の上野千鶴子氏、の3名でした。

冒頭、小峰氏から「大都市の視点から少子・高齢化を考える」とのテーマで発表がありました。「東京の出生率が低いことから、東京一極集中を是正すれば日本全体の出生率は上昇する」との議論に対して、データに基づいて反論を行い、地方創生と少子化対策は分けて議論すべきこと、をまず示されました。そして、少子化対策は国の責務であるとして、国際比較として、財政で子供や家族向けの予算がEU諸国(イギリス、フランス・スウェーデン)と比べて著しく低いことも指摘されました。最後に、東京圏で急増していく高齢者の問題については、東京から地方への移住を選択できるような環境整備をしていくことが重要であるとして、経済的視点では人の自由な移動を認めることに効用があることを強調して発表を締めました。

 

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その後、上野氏から、増田氏・小峰氏の発表も踏まえて、高齢者問題は大都市の問題であること、大都市(特に東京)では、高齢者の単身世帯(おひとりさま)が多いこと、(交通インフラが整備されていて、医療・介護の選択肢も多く、文化資源、生活の利便性の点からも)都市部は高齢者にとって住みやすい場所で地方移住の可能性は低いこと等が指摘されました。非婚化の背景には経済的要因(女性のみならず男性も若年層で非正規雇用が増えた等)があるとして、処方箋として「男性稼ぎ主モデルから男女共同参画型へ、結婚観を変える」「長時間労働をやめて女性にも安定雇用を保証する、働き方を変える」「育児・介護支援を充実」「社会保障を世帯単位から個人単位へ」といった提案がされました。

 

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その後、パネル・ディスカッションに入りました。
田原氏の鋭い問いかけに対して、パネリストの方々は、それぞれが研究されてきた研究成果をもって真摯に答えられました。田原氏からは、出生率が上がらない背景として、働く女性への「マタハラ問題」がある、といった指摘もありました。
ディスカッションは、
1.東京一極集中是正と少子化対策
2.都市部における介護の三重苦(高齢者人数急増、単身世帯が多い、地域での助け合いが少ない)
3.団塊ジュニア以降の世代が直面する更なる苦難。そして、新たな都市モデル構築
の3つのテーマで行なわれました。

 

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それぞれのテーマごとに、会場参加者へ質問を呼びかけ、3色の紙を掲げてもらうことによって、双方向での遣り取りも交えました。

 

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人は皆老いて死んでいく、誰もが要介護状態の弱者になる可能性をもっている、我々現役世代が未来への想像力をもって、高齢者となることを自分事として課題を強く認識し意識を変革していく必要がある、とのメッセージは、男性会員の多いJCメンバーに対して強く印象に残りました。